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- 証券会社が倒産したら、預けたお金はどうなるの?
- FXを始めたいけど、証券会社の安全性が心配…
- どの証券会社を選べば安心なのかわからない…
FX取引では、証券会社の安全性が心配になる方は多くいます。証券会社倒産のリスクは、他人事ではありません。この記事では、証券会社の倒産理由や資産保護の仕組み、倒産リスクへの対策を解説します。記事を読んで、証券会社の倒産リスクへの正しい知識と、自分の資産を守る方法を理解しましょう。
証券会社が倒産しても、分別管理や日本投資者保護基金で資産は守られます。資金保護の仕組みと対策を知ることが、安心してFXを始める第一歩です。
証券会社が倒産する理由

証券会社が倒産する理由は以下のとおりです。
- 経営破綻による倒産・自主廃業
- 吸収合併や事業再編による消滅
- 法令違反による業務停止
経営破綻による倒産・自主廃業
証券会社が倒産する理由の一つに、経営破綻や自主廃業があります。経営破綻とは、お金のやりくりがうまくいかず会社を続けられなくなることです。自主廃業とは、会社の経営者が自ら事業の継続を断念することです。
会社が事業を続けるお金が足りなくなると、経営破綻や自主廃業になります。会社が資金不足になる理由は、以下のとおりです。
- 新規顧客減少による経営悪化
- 借金の増加
- 投資の失敗
- 経営判断のミス
- 他証券会社との競争の激化
- 顧客からの信用喪失
吸収合併や事業再編による消滅

他の会社による買収やグループ内での会社の統合などの事業再編で、証券会社が倒産することもあります。証券会社の吸収合併や事業再編が行われると、利用しているFXのサービスに影響が出る場合があります。
サービス内容や取引に使うツール、手数料などが変更する可能性があるので確認しましょう。証券口座や預けているお金は、新しくサービスを引き継ぐ会社へ安全に移されます。会社が経営できなくなる「倒産」とは違い、資産は守られた形で引き継がれます。
法令違反による業務停止
証券会社が守らなければいけないルールを破ってしまうと、国から業務を一時的に止めるよう命令されることがあります。投資家のお金や市場全体の正しいあり方を守るため、国はルールを破った会社には厳しい対応をするからです。以下の行為は、重大なルール違反と見なされます。
- 顧客資産の不正流用
- 相場操縦
- 虚偽説明
業務停止により会社は信用を失うため、お金を引き出したり、契約をやめたりする顧客が増えます。お金が引き出されると会社の経営はどんどん苦しくなり、会社が潰れてしまう危険性もあります。
過去に実際に起きた証券会社の倒産事例

過去に起きた証券会社の倒産事例を、以下の内容に分けて紹介します。
- 有名な証券会社の倒産事例と影響
- 倒産時の顧客対応と教訓
有名な証券会社の倒産事例と影響
有名な証券会社の倒産事例の一つとして、2008年のリーマン・ブラザーズの倒産があります。リーマン・ブラザーズとは、アメリカの大きな証券会社です。複雑な仕組みの金融商品(サブプライムローン)に関する問題が原因で、経営に行き詰まりました。
リーマン・ブラザーズが倒産した出来事は「リーマン・ショック」と呼ばれ、世界中の株価が下落しました。
日本の四大証券の一つだった山一證券も、1997年に自主廃業を行っています。会社が帳簿に載せていなかった隠れた借金(簿外債務)が見つかり、経営が悪化したことが主な理由です。不安を感じた顧客が預金や株を返してもらおうと、窓口に殺到する事態が起きました。
倒産時の顧客対応と教訓
証券会社が万が一倒産してしまった場合でも、顧客の資産を保護するための制度があるので安心してください。証券会社が倒産した場合、慌てずに以下の行動をとりましょう。
- 証券会社や管財人から公表される公式な情報を確認する
- 資産の返還や移管の案内に従い、手続きを期限内に行う
- 問い合わせ窓口で疑問点を確認し、やり取りの記録を残す
資産が分別管理されていれば原則として返還されますが、手続きには相応の時間がかかります。倒産時のリスクを回避するために、証券会社は信頼性を重視して選んでください。
証券会社が倒産した場合の顧客資産の保護

証券会社が倒産した場合の顧客資産の保護について、以下の内容に分けて解説します。
- 分別管理の重要性と仕組み
- 日本投資者保護基金による補償制度
- 証券保管振替機構(ほふり)の役割
証券会社の倒産によって、預けた資産がすべて失われることはありません。
分別管理の重要性と仕組み
FX会社が倒産してしまったら、預けたお金はどうなるのかをしっかり把握しておきましょう。証券会社が倒産した場合、預けられている資産は保護される仕組みが整っています。証券会社では、顧客の資産を会社の資産とは別に管理する「分別管理」が義務付けられています。
万が一倒産しても、分別管理により投資家の資産は守られるため、普段から安心してFX取引が可能です。
日本投資者保護基金による補償制度

日本投資者保護基金は、証券会社が倒産したときに、投資家の資産を守るための制度です。日本投資者保護基金の制度は、分別管理を補う形で、投資家の資産を保護する役割を担っています。すべての日本の証券会社は、日本投資者保護基金への加入が法律で義務付けられています。
日本投資者保護基金による補償制度で保護される資産は、現金や株式、投資信託です。補償される金額の上限は、1人につき1,000万円です。証券会社が倒産した際は、倒産した証券会社に代わり、顧客への資産返還手続きを支援してくれます。
証券保管振替機構(ほふり)の役割
証券保管振替機構、通称「ほふり」は、株式などの取引を安全かつスムーズに行う役割を担っています。ほふりは、株や債券などの権利を電子データで管理しています。電子データにすることで、取引の透明性と安全性が高められるからです。
ほふりが投資家の株などの権利を管理しているため、利用している証券会社が倒産しても資産は守られます。配当金を受け取ったり、株主として会社の運営に参加したりする手続きも、ほふりを通じて円滑に進められます。
証券会社の倒産リスクを減らすための対策

証券会社の倒産リスクを減らすための対策は、以下のとおりです。
- 証券会社の選び方と格付けの確認
- 資産の分散と管理方法
- 証券会社の経営状態のチェックポイント
- 業務停止命令を受けた証券会社のリスク評価
証券会社の選び方と格付けの確認
FX取引を始めるにあたり、倒産しないような信頼できる証券会社を選びましょう。会社の健全性を示す「格付け」も確認することで、より安心して取引に取り組めます。証券会社によって、手数料の条件や取引ツールの使いやすさなどが大きく変わる点も確認してください。
自分に合った証券会社を見極めて、FX取引をスムーズに行いましょう。
» 投資目的に合わせて選ぶ!おすすめのFX口座の選び方と活用法
資産の分散と管理方法
資産を守るためには、資産の分散と管理の方法を工夫することが重要です。1か所にお金をまとめていた場合、何か問題が起きたときにお金が一度に大きな影響を受けてしまいます。以下の方法で資産を分散し、管理していくことをおすすめします。
- いくつかの会社に分けてお金を預ける
- 投資信託などのFXだけではない投資をする
- FXの取引では1つの国の通貨に集中させない
- 損切り(※)をする
自分に合ったやり方で資産を守りながら、FX取引に挑戦してみてください。
※ 損切りとは、金融商品が値下がりした際、これ以上の損失拡大を防ぐために損を確定させて売却すること。
証券会社の経営状態のチェックポイント

FX会社を選ぶ際には、証券会社の経営が安定しているかを確認してください。経営状態が良くない会社を選んでしまうと、預けたお金が戻ってこない可能性があるからです。安心できる会社を選ぶためには、以下の点をチェックしましょう。
- 自己資本規制比率
- 決算公告(経常利益、当期純利益)
- 預かり資産残高・顧客数推移
- 行政処分有無
- 格付け機関(S&Pやムーディーズなど)による格付け
- 親会社の経営状況
- 関連ネガティブニュース・報道有無
自己資本規制比率は、会社の「体力」を示す数字です。自己資本規制比率が高いほど、万が一の時にも対応できる力がある証拠です。
決算公告では、会社が利益を上げているかを確認できるため「経常利益」や「当期純利益」の項目に注目してください。
業務停止命令を受けた証券会社のリスク評価
業務停止命令を受けた証券会社は、社会的信用を大きく失い、経営に深刻な影響が出ることがあります。業務が停止するため、新規顧客は口座が作れなかったり取引ができなくなったりすることで、会社の利益が減少します。
同じ間違いを繰り返さないためのルール作りも重要です。信頼を取り戻し会社を立て直すためには、莫大な時間とお金が必要になります。しかし、社員が会社を退職してしまい、組織が弱くなることも考えられます。
証券会社の倒産に関するよくある質問

証券会社の倒産に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 証券会社が倒産したら、すぐに資産を引き出せる?
- 証券会社が倒産する兆候は事前にわかる?
- 資産が1,000万円以上になったら口座を分けるべき?
- 補償が適用されないケースや補償される上限は?
- 証券会社の倒産が株式市場全体に及ぼす影響は?
証券会社が倒産したら、すぐに資産を引き出せる?
証券会社が倒産した場合、預けている資産をすぐに全額引き出せるわけではありません。顧客の資産は、分別管理されており、証券会社の資産とは別に守られています。しかし、倒産の手続きが始まると、資産の移動や株の売買などが一時的に制限される可能性があります。
資産の返還にはいくつかの手続きが伴うため、ある程度の時間が必要です。万が一、証券会社が顧客の資産を適切に分別管理していなかった場合も安心してください。「日本投資者保護基金」という制度によって、1人当たり最大1,000万円まで補償されます。
資産の確認や返還方法については、倒産処理を行う管財人や日本投資者保護基金からの案内に従ってください。
証券会社が倒産する兆候は事前にわかる?

証券会社が倒産する明確なサインを事前に察知することは可能です。完全に予測するのは難しいですが、以下の点に注意してみると、経営状況の悪化が感じ取れる場合があります。
- 会社の成績悪化
- 外部評価低下
- 行政からの指摘
- 顧客対応悪化・出金遅延
- 悪評・噂
- 経営陣の頻繁な交代
- システムトラブル多発
- 過度なキャンペーン
兆候が1つでも見られたからといって、すぐに倒産するわけではありません。複数の兆候が見られる場合は、注意深く状況を見守る必要があります。
資産が1,000万円以上になったら口座を分けるべき?
資産が1,000万円を超えたら、口座を分けることがおすすめです。1つの金融機関に1,000万以上の資産を預けていると、倒産した場合に資産の一部しか戻ってこない可能性があるからです。FXの取引で使うお金(証拠金)は、信託保全(※)という仕組みで守られているので、基本的には全額保護されています。
FXの取引がメインでも、信託保全がうまく機能しないケースやシステムの問題が起こる可能性もあります。万が一の場合に備えて、複数の口座を持っておくことは、自分の資産を守るためにとても有効な方法です。
※ 信託保全とは、顧客から預かった資産を証券会社の資産とは分けて管理することです。顧客の資産は、信託銀行などに預けられています。
補償が適用されないケースや補償される上限は?

日本投資者保護基金による補償制度も万能ではありません。補償が適用されないケースや、補償される金額に上限があります。補償が適用されないケースは、海外のFX会社を使用しているときや顧客が規約違反をしたとき、通常の取引損失が出たときです。
日本投資者保護基金による補償は、1つの金融機関につき1人当たり1,000万円までです。国内のFX会社に預けられた顧客の資産は、信託保全で全額守られています。日本投資者保護基金による補償は、分別管理や信託保全が適切に行われていなかったなど、例外的な状況で適用されます。
証券会社の倒産が株式市場全体に及ぼす影響は?
証券会社が倒産すると多くの投資家が不安を感じ、株式市場が不安定になることがあります。証券会社の倒産により考えられる影響は株価の一時的な下落や、株式市場の取引量が減少し、株の売買が難しくなることなどです。顧客が他の証券会社や銀行の安全性にも不安を感じることで、市場全体が不安定になるためです。
倒産した証券会社の規模や元々の市場への影響力などによって、株式市場へ及ぼす影響は変化します。大きな証券会社が倒産した場合は、金融の仕組み全体に影響が広がることも考えられます。
まとめ

証券会社が倒産する可能性はゼロではありません。安心してFX取引に臨むには、資産保護の仕組みや倒産リスクを減らすための対策を覚えておきましょう。もし証券会社が倒産しても、原則1,000万円まではお金が戻ってくる仕組みがあるため安心です。
倒産のリスクを減らすためには、信頼できる証券会社を選びましょう。1つの会社にすべてのお金を預けるのではなく、複数の口座を持つことも有効です。証券会社の経営状態などをチェックする習慣をつけ、自分で資産を守る意識を持つようにしてください。
証券会社の倒産について理解することでFXに対する不安を減らし、落ち着いて取引をスタートしましょう。