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「FX取引に適した時間帯がわからない」と悩む方は多くいます。FX取引には相場が動きやすい時間帯と注意が必要な時間帯があり、把握していないと思わぬ損失を被ります。FX取引に慣れていない方は、取引時間帯の特徴やポイントの理解が重要です。
この記事では、FXの取引時間とそれぞれの市場の特徴について詳しく解説します。記事を読めば、取引に適した時間帯や注意する時間帯が理解でき、より効率的な取引ができます。自分のライフスタイルに合わせた取引時間の見つけ方も身に付けましょう。
FXの取引時間の基礎知識

FXの取引時間は、平日の24時間が基本になります。世界中の金融市場が順番に開く仕組みによって、常に取引が可能な状態が保たれるためです。取引時間の仕組みを詳しく解説します。
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平日は24時間取引可能
FX取引は、平日であれば24時間可能です。世界の主要な金融市場が、時差により順番に開いていき実現しています。東京市場が閉じても、ロンドン市場やニューヨーク市場が開いているため、いつでも取引の機会があります。取引時間に制限がないため、自分の生活スタイルに合わせた柔軟な取引が可能です。
会社帰りや深夜、早朝など、好きな時間に取引できます。
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取引ができない時間帯
FX取引ができない主な時間帯は以下のとおりです。
- 土曜日6時~月曜日7時
- 年末年始(12月31日夜~1月2日朝)
- クリスマス期間(12月25日前後)
- 欧米の主要な祝日
- システムメンテナンス時間
土日は世界の主要な金融機関が休業のため、取引は完全に停止します。土日に重要なニュースが発生すると、月曜日の相場が大きく動く可能性があるため注意が必要です。週末は可能な限りポジションを持ち越さないほうが賢明です。
サマータイムや祝日の影響
サマータイム制度により、FXの取引時間は季節によって変化します。サマータイムは3月第2日曜日~11月第1日曜日までの期間で、通常の時間より1時間早くなります。各国の祝日も取引に大きな影響を与えます。主要な金融市場が休場になるため取引量が大幅に減少し、相場が不安定になりやすいためです。
各国の祝日では、為替レートの変動が予測しづらくなります。重要な経済指標の発表がない日でも、突発的な相場変動が起きやすくなるためです。取引量が少ないとスプレッドが広がりやすく、思わぬ損失を被る可能性も高まります。祝日の取引では、通常以上にリスク管理の徹底が欠かせません。
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FXの各市場の取引時間帯

FXの取引時間帯は、以下の主要な金融市場によって構成されています。
- ウェリントン・シドニー市場
- 東京市場
- ロンドン市場
- ニューヨーク市場
各市場の取引時間帯を解説します。
ウェリントン・シドニー市場
ウェリントン・シドニー市場は、FX取引の1日の始まりを告げる市場です。日本時間の7~10時頃に開場し、オセアニア地域の金融機関が中心になって取引を行います。オーストラリアドルや、ニュージーランドドル関連の通貨ペアが活発に取引されるのが特徴です。
取引量は他の市場と比べて少なく、相場の大規模な変動は少ない傾向があります。週末に重要な経済ニュースがある場合は、月曜日の朝一番に反応するため、急激な相場変動が起こる場合もあります。東京市場が開くまでの静かな時間帯であり、レンジ相場になりやすいのが特徴です。
東京市場
東京市場は、アジア最大の金融市場として知られています。日本時間の9~17時30分までが取引時間です。円を含む通貨ペアの取引が活発に行われ、アジア太平洋地域の経済動向が為替レートに大きな影響を与えます。日本の金融政策や経済指標の発表も重要なイベントです。
東京市場では、基準になる仲値が9時55分に確定します。実需による取引が増加し、相場が大きく動く可能性があります。5日、10日といった「ゴトウ日」には、企業の決済需要が高まるため、円安方向に相場が動きやすい傾向です。仲値確定後は比較的安定した値動きとなり、取引しやすい環境が整います。
ロンドン市場

ロンドン市場は、世界最大の取引量を誇る外国為替市場です。以下のような特徴があります。
- 取引時間は日本時間16~1時
- ユーロやポンドの取引が活発
- 高い流動性と取引量
- 欧州の経済指標の影響が強い
- ニューヨーク市場との重複時間あり
世界の外国為替取引の約40%がロンドン市場で行われており、取引量の多さが特徴です。ニューヨーク市場との重複時間帯には、さらに取引が活発になります。欧州の重要な経済指標の発表も多く、相場が大きく動く機会が増えるため、トレーダーにとって重要な市場です。
ニューヨーク市場
ニューヨーク市場は、世界経済の中心地として知られる重要な市場です。日本時間の21~6時まで開場しており、米ドルを中心とした取引が活発に行われます。非農業部門雇用者数や消費者物価指数など、重要な経済指標の発表も多く、世界の為替市場に大きな影響を与えます。
ニューヨーク市場は、ロンドン市場との重複で取引量が増加するため、短期的な取引を狙うトレーダーにとって魅力的な市場です。流動性が高まるとスプレッドも縮小しやすくなります。一方で、経済指標の発表前後は相場が大きく変動する可能性があるため、リスク管理には十分な注意が必要です。
FX取引が活発な時間帯

FX取引が活発になる時間帯は以下になります。
- 東京市場オープン後の2時間
- ロンドン市場オープン後の3時間
- ニューヨーク市場オープン後の5時間
東京市場オープン後の2時間
東京市場オープン後の2時間は、アジア太平洋地域の取引が本格的に始動する時間帯です。日本をはじめとするアジアの金融機関や企業が活発に取引を行い、円を含む通貨ペアの値動きが大きくなります。9時55分の仲値決定に向けて、相場が大きく動く傾向にあります。
アジアの経済指標の発表も多く、市場参加者の反応も敏感です。中国の経済指標や日本の政策発表なども、為替レートに大きな影響を与えます。仲値確定後は徐々に落ち着いた値動きとなり、比較的安定した取引環境が整います。
ロンドン市場オープン後の3時間
ロンドン市場オープン後の3時間は、世界最大級の取引量を記録する重要な時間帯です。日本時間の16~19時にかけて、欧州の金融機関が本格的に取引を開始します。ユーロやポンドなどの欧州通貨の値動きが活発になり、大きなトレンドが生まれやすい傾向です。
欧州の経済指標発表も多く、相場が大きく変動するチャンスが増えます。欧州中央銀行(ECB)の政策発表や要人発言などには注目しましょう。東京市場とロンドン市場が重複する時間帯でもあるため、取引量の増加によって流動性も高くなります。
一方で、経済指標の発表前後は急激な相場変動が起きやすいため、十分なリスク管理が必要です。
ニューヨーク市場オープン後の5時間
ニューヨーク市場オープン後の5時間は、1日の中で最も取引が活発になる時間帯です。日本時間の21~2時にかけて、米国の金融機関が本格的に参入します。ロンドン市場との重複もあり、取引量が急激に増加します。米ドルを中心とした主要通貨ペアの値動きが大きくなり、相場のトレンドも形成されやすい傾向です。
重要な経済指標の発表も多く、米国の雇用統計や消費者物価指数(CPI)などの発表時に大きな相場変動が起きます。流動性が高まるとスプレッドも縮小し、取引コストを抑えられます。欧米の株式市場の動きにも敏感に反応するため、株価の急落時には為替市場も乱高下する点に注意しましょう。
FX取引で注意したい時間帯

FX取引で特に注意が必要な時間帯は以下のとおりです。
- 日本時間6~7時
- 経済指標発表の前後
- クリスマスや年末年始
日本時間6~7時
日本時間の6~7時は、取引量が極端に少なくなる時間帯です。シドニー市場の取引が終わりに近づき、東京市場が本格的に開始していない時間帯のため、相場の流動性が著しく低下します。取引量が少ないため、スプレッドが広がりやすく、取引コストが増加しやすい傾向です。
少額の取引でも相場が大きく動く可能性があり、予期せぬ損失を被るリスクが高まります。週明けの月曜日は、週末のニュースや経済イベントの影響で、相場が急激に変動する場合があります。アジア市場の休日明けなども、価格の急変動が起きやすいため、取引は控えめにしましょう。
経済指標発表の前後
経済指標発表の前後は、FX市場で最も警戒が必要な時間帯です。重要な経済指標の発表により、相場が数秒で大きく変動する可能性があります。経済指標発表の前後に注意する主なポイントは以下のとおりです。
- 流動性の低下による急激な相場変動
- スプレッドの急激な拡大
- 注文の約定価格のずれ
- ストップロス注文の未約定
- システム負荷による取引の遅延
米国の雇用統計や政策金利の発表時には、相場が数十pips単位で急激に変動する場合もあります。急激な相場変動時には、予想と反対方向に相場が動いた場合、大きな損失を被る可能性があります。経済指標の発表前後30分は、新規のポジション構築を控え、既存のポジションも可能な限り決済するのが賢明です。
クリスマスや年末年始
クリスマスや年末年始は、FX取引において特別な注意が必要な期間です。12月25日のクリスマスは、欧米の金融機関が休場となるため、市場の流動性が大幅に低下します。取引量が少なくなり、スプレッドが通常の2~3倍に広がるケースも珍しくありません。
年末年始も同様に、多くの金融機関が休業するため、相場が不安定になりやすい傾向です。12月31日~1月2日までは、ほとんどの金融機関が休業になります。取引量が極端に減り、突発的な相場変動のリスクが高まります。
年末の利益確定売買や年始の新規ポジション構築により、予期せぬ値動きが発生しやすいため注意が必要です。クリスマスや年末年始の取引は、経験豊富なトレーダーでも難しいため、初心者の方は取引を控えましょう。
時間帯によるFX取引の戦略

各時間帯によって市場参加者や値動きの特徴が異なるため、時間帯に適した取引戦略が存在します。午前と午後の取引戦略を解説します。
» FX初心者が知っておきたい取引の基本と稼ぎ方を解説
午前の取引戦略
午前中は東京市場の特徴をよく理解して、取引戦略を練りましょう。午前の取引で注目する主なポイントは以下のとおりです。
- 前日の海外市場の値動きを確認する
- 仲値公示前の取引傾向を把握する
- アジアの経済指標の影響を分析する
- 日経平均株価の動向をチェックする
- 欧州市場の開始に備えた準備をする
午前9時55分の仲値公示前は、円相場が動きやすい時間帯になります。ゴトウ日と呼ばれる5日や10日は、企業の決済需要によりドル買い・円売りの傾向が強まります。午前の取引を検討する場合は、前日までの値動きやトレンドをしっかりと確認しましょう。
午後から夜の取引戦略
午後から夜にかけての取引は、ロンドン市場とニューヨーク市場の特徴を活かした戦略が効果的です。取引量が多く、大きなトレンドも発生しやすいため、デイトレードやスイングトレードの機会が増えます。日本時間21時以降は、両市場の重複により取引量が最大になる傾向にあります。
欧米の経済指標の発表も多い時間帯のため、ファンダメンタルズ分析を重視した取引戦略が有効です。流動性が高く、スプレッドも縮小しやすい時間帯で、短期売買のチャンスを狙いやすい環境が整っています。一方で、重要指標の発表前後は相場が大きく変動する可能性があり、ポジション管理には細心の注意が必要です。
FXの取引時間に関するよくある質問

FXの取引時間について、初心者の方からよく寄せられる質問は以下のとおりです。
- 初心者が取引しやすい時間帯は?
- 24時間取引できるのはなぜ?
- 土日は取引ができない理由は?
初心者が取引しやすい時間帯は?
初心者にとって最も取引しやすい時間帯は、日本時間の10~15時頃です。東京市場の取引が中心になり、比較的安定した値動きが続きます。午前9時55分の仲値確定後は、相場が落ち着きを取り戻し、急激な変動が少なくなるためです。日中の時間帯は経済ニュースやマーケット情報も入手しやすく、冷静な判断が可能です。
夜間の取引はボラティリティが高く、初心者には難しい一面があります。ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる午後9時以降は、相場が大きく変動する可能性が高くなります。重要な経済指標の発表も多いため、経験を積むまでは控えめな取引にとどめましょう。
24時間取引できるのはなぜ?
FXが24時間取引できる理由は、世界中の金融市場が時差によって順番に開いているためです。東京市場が閉じてもロンドン市場が開き、ロンドン市場が閉じるとニューヨーク市場が取引の中心になります。主要な金融市場が時差を利用して連続的に開いているため、常に取引が可能な状態が保たれています。
インターネットの発達により、個人投資家でも世界中の市場にアクセスできる点も理由の一つです。外国為替市場は特定の取引所を持たない分散型の市場であり、電子取引システムを通じて24時間取引が可能です。自分のライフスタイルに合わせた取引時間の選択が可能になり、仕事や家事の合間を利用した取引も実現します。
土日は取引ができない理由は?
原則として、FXは土日に取引ができません。中東のバーレーン市場などを除く世界各国のマーケットが、土日に一斉休場するからです。ただし、世界中のマーケットが休場しても、価格の変動は起こります。土日に政治情勢に関わる大きな事件などがあった場合、月曜日に大きく値が飛ぶ場合もあるため、週末の取引は慎重になりましょう。
まとめ

FXは平日24時間取引できますが、時間帯によって相場の特徴は大きく異なります。東京市場は比較的安定した値動きが特徴で、初心者でも取引しやすい環境です。ロンドン市場とニューヨーク市場は取引量が多く、大きなトレンドが発生しやすい傾向にあります。
取引時間を選ぶ際は、自分のライフスタイルに合わせるのが重要です。経済指標の発表前後やクリスマス、年末年始など、注意が必要な時間帯もあります。FXの取引時間ごとの特徴を理解し、適切な時間帯で取引することで、より効率的なFX取引が可能です。